技術考察:「劇場版 シドニアの騎士」
実は先日「劇場版 シドニアの騎士」を観てきました。
今回は、なるべくストーリー等には触れずに、製作やそれに関する技術について考察していこうと思います。まったくの専門外なので、間違い等ありましたら教えていただけると助かります。
シドニアの騎士とは
太陽系を謎の異生物・奇居子(ガウナ)に破壊され、人類が地球から脱出して1000年。宇宙を放浪する播種船(はしゅせん)シドニアで暮らす少年・谷風長道がハーレムを作りつつ巨大ロボット・衛人(もりと)を操縦し、ガウナと戦うお話。
動画はこちらです。
『劇場版 シドニアの騎士』本予告 Knights of Sidonia The Movie Main PV ...
注目すべき点
3DCGアニメーション
本作品の映像製作を手がけたのは、国外のCGアニメ作品で注目と実績を積み上げてきた「ポリゴン・ピクチュアズ」です。3DCGを使う利点としては
- 被写体の数が多く、構図がとても複雑になるとき
- 被写体やカメラがとても複雑な動きをし、人力での表現が難しいとき
が、あげられます。前者は「ロボットが256騎で協力するシーン*1」で、後者は「主人公機が敵の主力と一騎打ちするシーン*2」等で生かされています。
トゥーンレンダリング
トゥーンレンダリングは「3DCGの一種で、2次元の手描きアニメーション、あるいは漫画やイラスト風の作画(いわゆるアニメ絵)でレンダリングさせる技術」のことです。
まず、アニメっぽい絵とはどういったものかと言うと
- 輪郭線や境界線がはっきりと描かれている
- 影の濃淡のグラデーション等は多用せず、ここの領域(セル)はこの色、といった具合に塗りわけされている
大体こんな感じですね。後者がイマイチ分からない人もいると思いますので解説を。
ここからは僕のあいまいな知識になってしまいますが、基本的に3Dは「ポリゴンの色」と「影の色」によって色が決められます。影の濃さを何段階かに分類して描くことで、アニメっぽい絵柄に近づけています。下記の画像の球の部分がそうですね。影がグラデーションしている元の3D(左)と、影が3段階に分けられているトゥーンレンダリング(右)の違いが分かると思います。トゥーンレンダリングは境界線もしっかり描かれていますね。
"Toonshading ken1kiyama". Licensed under GFDL via Wikipedia.
ちなみにこの技術、あの「青き鋼のアルペジオ」や「楽園追放 -Expelled from Paradise-」でも使用されいて、とても注目されています。
つまり
これらの技術と
- それらの技術を生かしきれるスタッフ
- 原作のストーリーと世界観の重厚感
これらが詰め込まれた本作品。つまり言いたいことは、
シドニアの騎士って神作品だわ。
さいごに
いかがでしたか?ストーリー等の解説をせずに、本作品を解説するのはとても大変でしたが、少しでも新鮮な気持ちで皆さんに観ていただきたいという思いがあるためです。お時間がある方は、映画館に足を運んでみてはいかが?
今回もNakahikoが担当でブログを書かせていただきました。こちらまで感想等お待ちしています。